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【完全保存版】ASUS(エイスース)徹底解剖! 自作PC界の「絶対王者」はなぜこれほどまでに強いのか?

自作PCの世界には、一つの格言があります。 「迷ったらASUSを買え。そうすれば、少なくとも品質で後悔することはない」

マザーボードの世界シェアNo.1。 ゲーミングブランド「ROG」の圧倒的なカリスマ性。 そして、初心者からプロのオーバークロッカーまでを唸らせる技術力。

台湾が生んだこの巨大企業は、なぜここまでの地位を築き上げたのでしょうか? 今回は、PCパーツ界の巨人**「ASUS」**について、その歴史、読み方の論争、複雑怪奇なブランド構成、そして弟分であるASRockとの因縁まで、1万文字のボリュームで徹底的に解説します。


目次

第1章:名前の謎と「読み方」戦争

ペガサスから「Peg」を取った理由

まず、ブランド名の由来から始めましょう。 ASUSという名前は、ギリシャ神話に登場する空飛ぶ白馬**「Pegasus(ペガサス)」**の下4文字から取られています。

なぜ「Peg」を捨てたのか? それは、創業当時の電話帳や企業リストにおいて**「A」から始まる名前であればリストの最初の方に載るから**です。 「常にリストのトップに立ち、ペガサスのように空高く飛躍する」 そんな野心的な願いが、この4文字には込められています。

終わなき「読み方」論争の終結

古参の自作PCユーザー(とくに2010年以前からのユーザー)が集まると、必ずこの話題で酒が飲めます。 「お前、ASUSのことなんて呼んでた?」

かつて、日本国内におけるASUSの呼び方はカオスを極めていました。

  • アスース(一番多かった派閥)

  • エイサス(英語読み派)

  • アサス(少数派)

  • エーサス

どれも間違いではありませんでした。なぜなら、公式が定まっていなかったからです。 しかし、2012年。ASUS Japanがついに「統一見解」を発表しました。

「これからは『エイスース』と読みます」

この発表は自作界に激震を走らせました。「えっ、アスースじゃないの!?」「なんか言いにくい…」という阿鼻叫喚の声が秋葉原に響き渡りましたが、あれから10年以上が経ち、現在ではすっかり**「エイスース」**が定着しました。 (※それでも、古参の店員さんやベテランユーザーは、今でも無意識に「アスース」と呼んでしまうことがあります。優しくスルーしてあげてください)


第2章:伝説の技術力と「ASRock」との関係

Intelを救った「486マザーボード」の伝説

ASUSの技術力が世界に知れ渡ったのは、1989年の創業直後のことでした。 当時、元Acerのエンジニア4人が独立してASUSを設立しました。彼らは、まだIntelが発表すらしていない最新CPU「i486」用のマザーボードを、CPUの実物がない状態で、スペックシートなどの情報だけで設計してしまったのです。

そして、Intelが実際にi486を完成させた時、Intel自身のマザーボードは不具合で動きませんでした。 困ったIntelがASUSのマザーボードを試したところ、なんと一発で正常に動作したのです。 「なんだこの台湾の小さい会社は!?」 Intelの技術者たちは驚愕し、それ以来、ASUSはIntelの「ゴールデンパートナー」として、最新CPUの情報をいち早く入手できる特権階級の地位を確立しました。これが、ASUSが常に最新技術の先頭を走れる理由です。

弟分「ASRock」の誕生と離別

現在、コスパ最強メーカーとして人気の「ASRock(アスロック)」。 実は、ASRockは元々ASUSの子会社として2002年に設立されました。

当時のASUSは高級路線を突き進んでいましたが、市場ではECS(イーシーエス)などの安価なマザーボードメーカーがシェアを伸ばしていました。 「ASUSのブランドイメージを下げずに、安い価格帯で戦いたい」 そこで作られた別動隊がASRockです。名前の由来は「As Solid as Rock(岩のように堅固)」から来ています。

ASRockは、「ASUSの設計図や余った部品を流用できる」という強みを活かしつつ、「変態マザー(過去の規格と最新規格を無理やり混ぜた製品など)」を作る実験場のような役割も果たしました。 その後、ASUSの組織再編(Pegatron分社化)に伴い、ASRockはASUSグループから離脱。現在は完全に**「ライバル企業」**として、親元だったASUSとバチバチに殴り合っています。 この「元親子対決」の構図を知っていると、パーツショップを見る目が変わるはずです。


第3章:なぜASUSは「高い」のか?(ASUS税の正体)

PCパーツショップに行くと、同じチップセット(例:B760)のマザーボードでも、ASUS製品は他社より数千円〜1万円ほど高いことがあります。 ユーザーはこの価格差を、敬意と皮肉を込めて**「ASUS税」**と呼びます。

なぜ高いのか? ブランド料だけなのか? いいえ、そこには明確な理由があります。

  1. BIOS(UEFI)の完成度が異常に高い 自作PC初心者にとって最大の壁はBIOS設定です。ASUSのBIOS画面は、UIが洗練されており、どこに何があるか直感的に分かります。「Ez Mode」などの初心者向け画面も親切で、トラブルが起きた時の自己診断機能も優秀です。この「ソフト開発費」が価格に乗っています。

  2. 電源回路(VRM)への執着 CPUに電気を送る「VRM電源回路」の設計において、ASUSは過剰なほど高品質な部品を使います。これにより、長期間使っても壊れにくく、電圧が安定するためPCがフリーズしにくくなります。

  3. 互換性検証(QVL)の量 「このメモリは動くか?」「このSSDは認識するか?」というテストを、ASUSは膨大な数のパーツで行っています。ASUSのマザーボードを買って「相性問題で動かない」という確率が他社より低いのは、この地道な検証コストのおかげです。

つまり、ASUS税とは**「安心代」**なのです。


第4章:ASUSのブランド階級・完全攻略ガイド

ASUSの製品は、ターゲット層によって明確にブランド分けされています。ここを理解していないと、「無駄に高い買い物」をしてしまったり、「思っていた機能がない」と後悔したりします。

1. ROG (Republic of Gamers)

【頂点にして原点】

  • 読み方: アールオージー(ログと読む人もいるが公式はアールオージー)

  • ターゲット: 富裕層、プロゲーマー、オーバークロッカー

  • 特徴: ASUSの技術の粋を集めた最高級ブランド。「敗北を知りたい」と言わんばかりの最強スペック。 箱を開けた瞬間の「匂い」から違います。付属品も豪華で、ステッカーやキーホルダーが入っていることもしばしば。

    • ROG CROSSHAIR / MAXIMUS: マザーボードの王様。5万円〜10万円超えは当たり前。水冷用のセンサーや、極冷(液体窒素)用のスイッチなど、一般人には不要な機能まで全部入り。

    • デザイン: 黒と赤、または黒とガンメタルを基調とし、サイバーパンクな「ROG EYE(ギョロ目)」ロゴが光り輝きます。

2. ROG STRIX (ストリクス)

【一番人気のおしゃれ番長】

  • ターゲット: ハイエンドゲーマー、配信者

  • 特徴: ROGの性能を(少しだけ)現実的な価格に落とし込み、デザイン性を高めたシリーズ。現在のASUSの主力です。 特に「白いゲーミングPC」を組みたい人にとって、ROG STRIXのホワイトモデルは憧れの的。 マザーボードやグラボに、あえて日本語で「ROG」とかカタカナでデザインを入れるなど、ファッション性が高いのも特徴。

    • 立ち位置: 性能は「上の下」〜「中の上」。普通の人が買うなら、これが最高の贅沢。

3. TUF GAMING (タフ・ゲーミング)

【高耐久・コスパの守護神】

  • ターゲット: コスパ重視ゲーマー、初心者

  • 特徴: その名の通り「タフさ(耐久性)」を売りにしたブランド。 以前は黄色と黒の工事現場のようなカラーでしたが、最近はグレーと黒の「ミリタリー調」になり、無骨でカッコよくなりました。 軍用規格(MILスペック)のコンデンサを採用しており、**「壊れにくいのに、ROGよりだいぶ安い」**という素晴らしい立ち位置。 初心者が「とりあえず失敗したくない」なら、TUFシリーズのマザーボードとグラボを買っておけば100点満点です。

4. PRIME (プライム)

【質実剛健なサラリーマン】

  • ターゲット: 一般用途、ビジネス、クリエイター入門

  • 特徴: 光らない。派手じゃない。でも仕事はきっちりこなす。 白と銀を基調としたシンプルなデザインが多く、オフィスに置くPCや、派手なLEDが嫌いな人に選ばれます。 機能は必要十分ですが、VRMの冷却などは上位モデルに劣るため、Core i9などの爆熱CPUを全開で回すのには向きません。

5. ProArt (プロアート)

【クリエイターのための黒い宝石】

  • ターゲット: 映像編集者、3Dデザイナー、大人

  • 特徴: 「ゲーミングのピカピカ」を完全に排除した、シックで高級感のある黒×金のデザイン。 Thunderbolt端子や10GbE LANを標準搭載するなど、クリエイターが必要な機能に特化しています。 最近は「大人の自作PC」として、ゲーマーがあえてProArtを選ぶケースも増えています。見た目がとにかく美しい。


第5章:製品カテゴリ別・ASUSの「ここが強い」

マザーボード以外にも、ASUSはあらゆるパーツを作っています。それぞれの強みを解説します。

1. グラフィックボード(ROG / TUF / DUAL)

ASUSのグラボは、「冷却ファン」の設計が優秀です。 「Axial-techファン」という独自形状のファンを採用しており、風を真っ直ぐヒートシンクに当てることで、他社より冷えて静かな傾向があります。 特に「ROG STRIX」のグラボは、その世代で「最も冷える空冷クーラー」の称号を得ることが多く、デカくて重いですが性能はピカイチです。

2. ゲーミングモニター

実は、世界で初めて「144Hzモニター」や「240Hzモニター」を一般向けに普及させたのはASUSです。 FPSゲーマー御用達の機能(暗いところを見やすくする機能や、画面の中心に照準を表示するチート級機能)が充実しており、BenQと並んでe-Sportsの標準機材となっています。

3. 無線LANルーター

ASUSのルーターは、見た目が**「蜘蛛(クモ)」**です。 アンテナが8本くらい生えた異様な見た目(GT-AX11000など)をしていますが、その性能は化け物。 「ゲーミングLANポート」を持っており、そこに繋いだPCの通信を最優先する機能があります。家で家族が動画を見ていても、俺のゲームだけはラグらせない。そんなわがままを叶えてくれる最強ルーターです。

4. ノートPC / UMPC

「ZenBook」などの薄型PCも有名ですが、最近のヒット作は**「ROG Ally(アールオージー・エイライ)」**です。 Steam Deckに対抗して出した携帯型ゲーミングPCですが、Windowsを搭載しており、「寝転がってエロゲ…いや、AAAタイトルが遊べる」として爆発的に売れました。 PCパーツメーカーとしての小型化技術と冷却技術が、ここでも活きています。


第6章:光と闇(Armoury Crateの功罪)

ASUSを語る上で、避けて通れないのが**「Armoury Crate(アーマリークレート)」**という専用ソフトの存在です。

これは、ASUS製品のLEDを制御したり、ファンの速度を変えたり、ドライバを一括更新したりする統合ソフトです。 「これ一本で全部管理できる!すごい!」 …というのが建前ですが、ユーザーの間では**「重い」「バグる」「アンインストールしてもゴミが残る」**ことで悪名高いソフトでもあります。

  • 光: マザー、メモリ、グラボ、キーボードが音楽に合わせて一斉に光る「Aura Sync」は圧巻。

  • 闇: インストールするとPCの起動が少し遅くなったり、謎のエラーが出たりすることがある。

最近はかなり改善されましたが、古参ユーザーの中には「ASUSは好きだがArmoury Crateだけは入れない(BIOSで無効化する)」という硬派な層も存在します。 初心者の皆さんは、とりあえず入れてみて、PCが重く感じるなら消す、くらいの付き合い方をおすすめします。


第7章:結論・どんな人がASUSを買うべきか?

長々と語ってきましたが、結論としてASUSはどんな人におすすめなのでしょうか。

1. 「初めて自作PCを組む」あなたへ

迷わずASUS(特にTUFかROG STRIX)を選んでください。 組み立て中に「ケーブルどこに挿すんだ?」と迷った時、Googleで検索して出てくる情報の量が、ASUSは桁違いに多いです。ユーザーが多いということは、それだけトラブルシューティングの情報も多いということ。 また、マニュアルも日本語化がしっかりしており、コネクタの配置も組みやすいように配慮されています。数千円の差額で「安心」と「情報の多さ」を買う価値は十分にあります。

2. 「見た目にこだわりたい」あなたへ

ASUSのエコシステムは最強です。 マザー、グラボ、ケース、電源、クーラー、モニター、キーボード、マウス、ヘッドセット、マウスパッド… これら全てを「ROG」ブランドで統一することができます。 全てのパーツが同じロゴで、同じ色に光り、机の上が要塞化していく快感は、ASUSでしか味わえません(これを「ROG沼」と呼びます)。

3. 「とにかく最強スペックが欲しい」あなたへ

ROGのフラッグシップモデル(EXTREMEやHERO)を買いましょう。 そこには、一般人には理解不能な数の電源フェーズと、オーバースペックなヒートシンクが搭載されています。 「使い切れない機能がある」ことこそが、ハイエンド所有者の満足感なのです。


エピローグ:王者は走り続ける

創業から30年以上。 「ペガサス」の名を持つこの企業は、今なおPCパーツ界の空を高く飛び続けています。

Intelが転んでも、NVIDIAが暴走しても、ASUSは常にそこにいて、私たちに「最高のマザーボード」と「最高のグラフィックボード」を提供し続けてくれました。

時には「ASUS税が高い」と文句を言いながらも、私たちは結局、レジにROGの箱を持って行ってしまうのです。なぜなら、その箱を開けた時のワクワク感と、電源を入れた時に現れる「ROG EYE」のロゴのかっこよさを、身体が覚えてしまっているから。

さあ、あなたも「エイスース」の世界へ足を踏み入れてみませんか? ただし、一度ROGの沼にハマると、お財布の中身がペガサスの羽のように飛んでいくことだけは、覚悟しておいてください。

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